日本人の金融感覚は、鎖国のまま

ライフプラン

政府もいよいよ【貯蓄から投資へ】を、来年2024年から新NISAなどの制度変更を本格化する。しかし、NISAの制度が変わっても【日本人の金融感覚】は、簡単には変わりそうにない。理由は、地政学的な環境と、歴史的な背景も大きい。隣国と接していない島国であり、他国の侵略を経験しておらず戦後な驚異的な経済復興による【円の国際的資産価値の上昇】が、為替リスクを取ることや、国際分散投資を経験することなく、【定期預金が高利回りの安定運用】でもあったことは、否定できない。つまり、何もしないのが最良の投資だったということになる。その経済復興もバブル経済の崩壊を境目に、大きく様変わりし、急速に【円の国際的資産価値の減少リスク】が高まっていることの意味を理解していないことが根底にあると感じる。

富裕層の資産運用相談においても、【外貨建て資産の割合の低さ】が際立っている。【不動産(国内)】【株式(国内)】【投資信託(円建て)】【仕組み債(円建て)】【円預金】【円建て債券】と通貨は、円建て100%が非常に多い。海外資産への投資も、円から投資であり、償還も円建てとなっていることから往復の為替コストが発生する高コスト運用となっているケースが目につく。

そもそも日本の年金運用(GPIF 国内株式25%、国内債券25%、外国株式25%、外国債券25%)自体が、50%を円資産ではなく国外資産にして運用していることから、国の安定運用方針が、円資産100%はリスクだと考えているということ。つまり、自分の財布も円資産の割合を、相対的に年金運用のように分散することが基本的に必要だということを理解しないと始まらない訳です。

つまり、自分の金融資産が1億だとすると、半分の5000万は、円建ての株式や投資信託などで運用し、残りの5000万は、銀行の外貨預金口座から外貨建ての株式や投資信託などへ運用し、収益も外貨で受け取り、外貨で再投資するというイメージです。また、相続も外貨のまま残し、資産承継する。不動産も同様の考え方になります。

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